こんにちわ。ほっぷ鍼灸整体院の吉川です。
早いもので年が明けて二ヵ月終わってしまいましたね。
月日が早く感じるのは充実している証拠。と思いたいものです笑
一月二月は中国で始まった新型コロナウィルスの話題で持ちきりでしたね。治療方法がないというのはここまで人間を恐怖させてしまうのかと改めて実感しました。感染された方の早期の回復やこれ以上感染者が増えないことをを祈るばかりです。
さてさて今回はある患者さんを紹介したいと思います。
患者さんの名前はDさん(仮)
私の書いた実際のカルテがこちらです。
<主訴>
- 上半身(腕内側~指先までの尺骨神経沿い)の痺れ
- 腰(TH10~L5および腹部)までの知覚異常
- 下半身(主に坐骨神経~腓腹筋)の痺れ
<症状>
筋腓腹筋の筋力低下、手指の把握動作筋の緊張、後頚部~TH7あたりまでの筋疲労感と痛み、足指の緊張。頭皮の緊張
神尺骨神経、膝蓋腱反射減弱。
肘より下の尺骨神経沿いに痺れ、足裏の力が入らない感じ+痺れ、腹部・腰部の知覚の違和感
軟肘関節屈曲時の肘内側に違和感、その他各関節の動作時に痛みとしびれを訴える
経絡脈診→肝↑、腎↓、脾にムニュムニュ感。不安定な脈圧
舌診→虚熱系
腹診→腹部全体が感覚異常のため確定ではないが脾、腎に圧痛
トータルで肝腎陰虚と推測
<背景>
三か月ほど前から以前の会社を辞めて独立。しびれ症状は二か月ほど前から徐々に発症。最初は手だけだったが次第に足にきて、腰部や腹部の感覚異常を感じた際にようやく危険を感じ治療をしようと思った。
その後整形外科や地元の大病院にて精密検査。頸椎6-7番の極度の圧迫と緩衝の役割を果たす脳脊髄液の減少が判明し予後の変化は期待できないが手術を勧められる。またセカンドオピニオンも実施。次の病院では頸椎の狭窄もそうだが、腰椎のすべり症も発覚。頸椎の予後は変化に期待できないがすべり症の手術ではある程度の下肢への痺れの緩和が期待できる。と診断された。
これらの経緯から手術での治療は新しく始めたばかりの仕事に大幅な支障をきたしてしまう可能性があることから保存療法(身体にメスを入れない治療のこと)を選択しようと思って当院へアクセスした。
<考察>
各所の狭窄部位については診断の通りと判断。ただ狭窄の背景にはストレス要因が強いと見受けられた。
尋ねたところ自営業を始めてろくに食事を摂らずに働いており、一日一食(夜のみ大量摂取)の生活、また自営を始めるための資金繰りにはうまくいっているが返済のためのストレス、無理な労働時間、過剰な仕事量それらが全て募り積もったものの結果と判断した。
それらのストレスにより脳脊髄液の減少により神経根への干渉、圧迫につながっていると仮定し治療開始
<治療>
- 狭窄部位への刺鍼による骨膜の再生と筋緊張の緩和
- 兪穴法による自律神経の安定
- 頭鍼療法でのストレスケア、クラニアルでの脳脊髄液の促進
- 肝腎陰虚への対策
以上を念頭に置き治療開始
<指導>
- ・食事量と時間の安定。内容の見直し
- 就業時間の見直しや人員調達などの負担軽減の提案
- 呼吸法、ストレッチなどセルフケアの実施
- それでも仕事に支障をきたすようなら手術を受けるべきかどうかの判断はまかせる
とここまでカルテの内容です。以上をふまえ一週間に一度通院していただくことに。
予後と結果
<一回目後>
顕著な変化は見られなかったが数日(二日ほど)楽になった感じはあった
また来院まで一時間ほどかかるが帰りの車の中では非常に快適な下肢の状態を確認できた。
また指導した部分は的確に実施。特に食事については抜本的な見直しを敢行。
<二回目後>
治療後三日ほどは痺れはあるものの緩和され仕事がスムーズに行えた。
しかし四日目からは以前の状態へと逆戻り。
身体への不安感から従業員の増員の手配を進める。
<三回目後>
状態は良好経過もしびれと知覚は存在。しかし自分の身体との会話はできてきた。
治療後は三日ほど安定も四日目から再発する
<四回目前>
病院の強い勧めもあり手術をする決意を固める。
手術の準備の為治療を中断。
と、いった経過でした。
志半ばでの治療の中断でした。しかし病院の先生の意見も正しいため手術をすることは正解だと思いました。
正直もう少し経過を見たかったのですがこればかりは仕方ないですね。。
ここでこのブログを読んでいただいた方に知って頂きたいのは「しびれがでてしまった背景」です。
しびれがでれば病院へ行ってレントゲンやCTなど精密検査をすることまではどなたでも行うことです。そこでどこどこの圧迫が~なになにの神経が~とお話がもちろんあると思いますしその順序は間違いではありません。
しかし骨や筋肉のせいだけにしていませんか?
私のホームページの動画でもありますが骨や神経だけがしびれをつくってしまう原因ではありません。
人はだれでも痛みやしびれを負ってしまったら何かのせいにしたがりまし、してしまいます。
でもそんな背景を作ってしまった背景には必ずあなたがいます。
自分と自分の生活に向き合えることがしびれや痛みを緩和させる一番の根本治療だと私は思っています。
足にしびれがでた → 腰が悪いのか? → なにか重い物を持ったかな?
これも原因ですが重い物を持つ前に勝負が決まっている。そこに気づけるかどうかが治療の最大のポイントなのです。
根本的な身体の状態が知りたい。なぜ痛みやしびれがでてしまうのかを知りたい。
そんなあなたは一度私にお話を頂けたら何かしらの力になる自信があります。
痛みやしびれの治し方を知るのも大事ですが、見方や角度を変えてみても治療だと私は思っています。
本当にお困りの方はお電話ください。