お灸って素晴らしい。
といっても理解できる方のほうが今は少ないかもしれません。
私がお灸のすごさを知ったのが実体験に基づく経験からなのですが
経験と言ってもあまりいい経験ではなかったのです。
詳しくはホームページの自己紹介にも載せたのですが今回はその詳細ってかんじですね
ある日の午後
(ここからは良い子は絶対にマネしないでね!)
当時若かりし血気盛んな専門学生のころです
たしか自習の時間でした
せんねん灸(市販でも売っているお灸)を持った私の友達が言いました
「お灸で根性試ししようぜ!」
はい、でました。こうゆうやつ。
でも私はこうゆうやつが好きで
「いいよ」
それからはおなかの腹結というツボをお互いお灸をしあいました
腹結というのはいわゆる便秘のツボで大腸などを整えるのに使ったりするツボです
最初はせんねん灸でお互い同じ個所にやりやっていたのですが
次第にどんどん過熱していき
「次はガチンコのもぐさで勝負しようか」
はい、なりましたこうゆうことに。
でも私はこうゆうことが好きで
「いいよ」
そこからは本当に熱かったです。
お互い叫びあいながらまるで地獄でした
今でこそせんねん灸やうちで使う温灸などマイルドな加工がありますが、昔の方々はこれだけ熱いのをやっていたのか体を張って理解しました。
周りのギャラリーもけっこう増えてきてこちらも益々ヒートアップ
もう一年分の腹筋をしたんじゃないかと思うほどおなかに力が入りました
そして終業のチャイムに我々は救われたのですが・・・
問題はここからです。
ここからはお食事中の方は不快な思いになるかもしれませんので悪しからず
その日の晩。いつものようにご飯を食べ少しテレビを見ようとした際に
異常な眠気に襲われました。
たしか20時くらいだったと思います。
いつもは0時~1時くらいに寝るのですがその日だけは異様でした
疲れているのかな?今日はさっさと寝ようとすぐにベッドにもぐりこみスヤスヤ寝ました
そして急に目がハッと覚めました
時間を見てみるとまだ2時ほどだったのを覚えています
あーまだこんな時間か・・・とおもった瞬間
猛烈な便意に襲われました
腸がまるでドンドン膨らんでいる感じだった記憶がありますがそれどころではありません。
すぐにトイレに駆け込み用を足そうとしましたがなかなか顔を出しません
あの感じはすぐ出てくる感じだったんだけどなと踏ん張りながら思いました
そして次の瞬間今まで感じたことがないほどの腹痛が私を襲いました
あまりの痛さにもうただの腹痛ではないことはあきらかです。
そして次の瞬間フッと気を失ったのです
どれくらい意識がなかったのか分かりませんが気が付くと便器に座り込んで頭を抱えていました
しばらくボーっとしていましたが次第に気分が悪くなり吐き気が催してきました
もう散々です
少し落ち着いたあとにまだ腹痛があったのでたまたま持っていた携帯で母を起こし救急車を呼ぶように頼みました。
救急車の中では少しずつ腹痛が収まってきたのですがまだまだ痛みは強く残ります
そして救急病院について診察してもらいましたがどうも不思議な点がいくつかあったのです
1、下腹部が痛いというだけで先生の診断が「尿管結石」だったこと
2、検査(CTやMRI)もせずに診断されたこと
3、こちらが一度精密検査をお願いしますと申しているのにもかかわらず無視して尿管結石で私に透析治療を始めようとしたこと
当時専門学生だったので偉そうに言えませんが、なんとなく尿管結石ではないと思っていました。
透析治療は一度始めるとほぼ定期的に治療が必要です(辞めれなくなる可能性が高い)
透析患者さんも鍼灸治療していましたがその方は言っていました
「透析やると自分の時間が取れなくなるから人生がおかしくなった」
もちろん透析で救われている方もいます。その治療自体は否定しません
ですがろくに検査もせずその人の人生を変えようとしていることに疑問を感じざるおえませんでした
そしてわたしは頼み込んでMRIもやってもらいました(もちろん先生は嫌そうな顔でした)
検査の結果案の定、尿管に石も異常もなかったのです。
そして先生に「なかったですね」と私が言ったらその先生は「それじゃ便秘ですね」って
え?
なにそれじゃ便秘って?
耳を疑いましたよほんと
これが先生の言葉を最初から鵜呑みしたとすれば私はめでたく透析患者だったわけです。
それなのに「んじゃ」って。
私は診断ってある意味挑戦だと思ってるんです
人が人を決定することに確実なんて言葉はありません
お医者さんも神様じゃないんです。
でも診断って目標を立てることによりそこに向き合えるものだと思うのです
医者は神様じゃない。人間です。だから間違えもある
ただ問題なのは「間違え方」じゃないでしょうか?
話を戻します。
便秘と言われてからはもう自分で調べましたよ
いろんな先生や医学書などで検索しました。
そこでたどり着いたのはおそらく・・・
「迷走神経反射」
これは分かりやすく言うと自律神経がある瞬間プツンと途切れ意識を失うというものでした。
そしてこれらを引き起こした要因は私はあの灸ではないかと思ったのです。
朝から晩まで机に向かいっぱなしでストレス溜まりまくりの状態で、過度な異常なほどの
腸への施灸により自律神経が混乱し暴走した一過性の反応だと推測しました。
この結論にたどり着いてからは鍼ほど意識していなかったお灸の歴史や適応症状、どのような効果があるか調べました。
そもそもお灸で身体を良くするってどうゆうこと?
すると文献にもよりますがお灸の起因は「ヤケド」にあるとわかりました
きっと諸説あるのですが、お灸の由来ははるか昔中国で病弱な女の人がいてその人の家が火事になりました。なんとか命からがら逃げだせたその人は足のクルブシあたりと、手先にヤケドを負ったそうなのです。
するとその人がヤケドで動けなくなるどころか病弱な身体が逆に元気になったことがきっかけらしいのです。
それから研究され続け人間の身体のあるポイントを刺激(お灸ではヤケドという刺激)を加えることにより免疫力が活性化し身体に良い結果をもたらすことが判明していきます。
そして現代では家でも手軽に灸ができるようにせんねん灸などが開発されていったのです。
お灸の良さはもう一つ
お灸の匂いで人間の神経を落ち着かせ、自律神経を整えたり、嗅覚を刺激し脳への血流量の増加へも繋がるということです。
昔の中国では灸の匂い(もぐさの香り)だけで精神病を治したという例もあります。
まさにお灸って万能なんです
そこから私はお灸のとりこになったのは言うまでもありません。
自分で痛い思いをして得たこの経験はむしろなにかの啓示ではないかと思うほどになりました(笑)
実際に自分や子供が怒っているときには家族で灸をやりあいます。
これまた早く仲直りできるんですよね(笑)
私はこれからもこの仕事を通じてお灸のすばらしさ、可能性を提示し続けていきたいと思います。
ではこれにて