なぜ「ほっぷ鍼灸整体」を開業したのか

みなさん初めましてほっぷ鍼灸整体院の吉川です。この度私の地元であるあま市甚目寺に鍼灸整体院を開業させていただきました。まず私の簡単な経歴をお話しさせていただきます。

稲沢市の中和医療専門学校で鍼、灸、接骨院(柔道整復師)の国家資格を取得し、名古屋市中川区の鍼灸院で勤め、その後他の接骨院で約5年ほど分院長として活動してきました。

この期間は本当に色々な方々との出会い、経験をさせてもらいました。全てが私の糧となった時間でした。治療家、施術家の心構え、持つべき人間性、察知能力など本当に勉強になりました。近頃では愛知県のみならず各都市で開催される勉強会や気になった鍼灸院や整体院に直接アポを取り直撃勉強などをさせてもらい日々腕や知識を磨いております。今回は鍼灸整体院の名前の由来と私が開業した理由などを記載しようと思います。パソコンが苦手で誤字脱字や分かりにくいところがあるかもしれませんがご容赦ください。

「ほっぷ」の由来

なぜほっぷという名前にしたのかよくご質問を頂戴します。それはホップステップジャンプからとったものです。これは私が目指したい治療の方向性と一致しているのです。ホップステップジャンプというのは一歩を踏み出し(ホップ)、助走をつけ(ステップ)、ジャンプに至るという一連の流れになります。これらを私なりに解釈し治療につなげますと・・・。

  1. ホップ まず来院していただき施術者と患者さんとで治療の目指す方向性を決める一歩目
  2. ステップ 次にお互いコミュニケーションを取りながら経過観察し微調整、修正などのトライアンドエラーを繰り返しより良い道を選択できるようにするお互い努力する
  3. ジャンプ 最後に患者さんやりたいこと、痛みや悩みでなどでやれなかったことを治療によりその縛りから解き放つこと、目標としていたことを達成していただく

このように考えております。私自身患者さんの一歩目になってあげたい、勇気をあげたいという意味と願いを込めまして「ほっぷ鍼灸整体院」と名付けました。

次に私が開業した理由を3つの項目でお話ししたいと思います。

1:接骨院分院長を経て感じた、保険治療の限界と患者コンベアー

接骨院では基本健康保険診療が可能です。健康保険というのはみなさんご存知のとおり、簡単に申し上げると保険証を提示して患者側が1~3割、国もしくは労働組合などが差額の7~9割を負担するシステムです。この保険自体はとても素晴らしい制度だと私は思っています。ほかの国ではここまで負担してくれるところはほとんどないと思います。医療というのは基本お金がかかります。例えばほかの国では高額で命に係わる手術が受けられない場合でも日本では全員とは言いませんが保険制度のおかげで高額な手術を受けれる可能性が大幅に上がります。紛れもなく日本の良い制度の一つです。接骨院でも同じです。手術ほど高額ではないですが、体の痛みを訴えた場合一般的な接骨院では基本800円前後で治療が受けれます。身体の不調、痛みを訴えた場合みなさん気軽に接骨院に来てくださいます。ですがここで見えてきたのが患者さんが接骨院に溢れてしまうということです。

私が院長させていただいていた接骨院では一日平均60人ほど患者さんが来院されます。これに対して治療家は大体3~4人。先ほど述べたように気軽に来ていただくことは良いことなのですが、接骨院を運営していくためにはどうしてもこの人数では一人頭10~15分で治療を終わらなければなりません。忙しい時にはベルトコンベアーで流れ作業をしている感覚でした。患者さんの痛みというのは十人十色ですので症状によっては時間がかかるもの、かからないものがあります。この人にはもう少し予後のお話であったり、治療自体に時間がかかるなどと思っていてもどうしても時間を制限しなければならなかったのです。例えば自律神経疾患の患者さんは物理的な治療以外もその方の背景であったり、食生活、考え方など直接触ること以外のことも大変重要になってきます。治療の時間を長くやりたいのではなく「その患者さんの治療に必要な時間を使いたい」そんな思いが開業した理由の一つです。

それでは保険を使って安くて時間を多めに使えばいいじゃないか。と思う方もいると思います。しかし保険診療だけで例えば患者さんに1時間かけていては私たち家族は生活できません。私自身も更に治療の幅を広げるための講習会や勉強会にも参加できません。私はより多くの患者さん、院に通っていただいている患者さんに少しでも力になるため定期的に勉強会や他院の先生のお話を聞きに行ったり(勉強しに東京や大阪までザラに行きます)自分自身のスキルアップもしたいのです。それにはどうしてもお金がかかってしまいます。ですがそこで得た知識や経験は必ずどこかで患者さんのためになると私は信じています。そのような経緯により私は健康保険を使える接骨院の資格を保有しつつも、保険を使わない自費診療ということは自分の院では掲げることにさせていただきました。

2:鍼灸のすばらしさ、可能性をより多くの患者さんに実感していただきたい

私が思う鍼灸の一番の特徴。私の尊敬する先生のお言葉をお借りさせていただいて

  1. 「どんな症状、病気にもなんらかの手が施せる」
  2. 「身体の内面からその症状に対してアプローチできる」
  3. 「身体へのデメリットが極めて少ない」

ということです。具体的にどうゆうことかとお話しします。

みなさんは鍼灸というと漠然と腰痛や肩こりに効くとお考えになる方が多いでしょう。たしかにこれらにも効きますが、私が思う鍼灸の最大の特徴は病院の先生やご本人が諦めてしまった症状や手技、マッサージではどうにもならない症状など「どんなこと」にも何かしらお力を貸せるということです。もちろん絶対に治るということではありませんが、その諦めてしまった、諦めざる負えなかった痛みに対しての鎮痛、手術後のオペの傷跡がズキズキ痛いが傷が開くといけないから触れない方、低体温で身体の免疫力が低下し様々な疾患を患っていらした方、ストレスが原因で自律神経が正常に働かなくなった方、また薬でしか手の打ちようのない症状への選択の一つとしても非常に貢献できると思います。

ホームページの私が施術させていただいてきた患者さんのお声も参考にしていただきたいのですが(あくまで個人差がありますことを予めご了承ください)一つ印象深い患者さんを例に挙げてお話したいと思います。

この患者さんは奥様のご紹介で最初膝の痛みを訴えて来院された方でした。問診等を終え、膝の骨格を確認しようとズボンを膝まで上げた時に私は驚きました。まるで虎と戦ったあとのような無数のひっかき傷があったからです。「これはど、どうしたのですか?」とお尋ねしたところ、「実は数年前に心臓の手術をしました。それから強い薬(ステロイド)を定期的に服用しているのですが、その薬の副作用で夜も寝れないほど全身が痒くてかゆくて仕方ないのです。皮膚科に相談して塗り薬を使っていますが、効果が感じられません。ここ2年ほどは痒さがまったく変化がなく、医者もこれ以上はやりようがないとおっしゃり自分でも諦めているものです。」とお話ししてくださいました。そこで私が提案させていただいたのが「数年前からの症状ですのでどうなるかはまだ予想がつきませんが、もしなにも手立てがないのでしたら鍼灸でお力になれるかもしれません」その患者さんは目を丸くして言いました。「鍼灸でこのかゆみがよくなる可能性があるのですか?」と。ここからは会話だけでお伝えします。

私「皮膚がかなり硬直しているので鍼でまずは皮膚全体の血流量を上げます。内臓からの血流量が悪い場合身体に老廃物がたまりやすくなります。その老廃物が痒みの一因になっている可能性があるのです。そのあとに灸で背中、おなか回りを保温させ、代謝自体の向上に努めます。」

患「代謝を上げる?」

私「はい!!代謝と言うよりは身体の老廃物を身体の外に出しやすくするイメージですね!皮膚だけの治療(皮膚科のお薬)だけでは2年変化がないとおっしゃっていましたので皮膚と体の中両方から手を打っては?というご提案です!」

患「身体の中からとはかゆみを消すということは考えたことがなかったです・・・私はすっかり諦めていた症状です。もし力を貸していただけるのなら是非お借りしたいです。」

私「いきなり治るというわけではありません。まずはそのまったく変わらないかゆみに変化が出るかどうかから経過観察しましょうか!それと色々宿題とお願いがあるのですが・・・」

患「もし身体のかゆみがなくなったら私は中国に行きたいのです。どうしても中国に会いに行きたい人がいるんです。向こうでは布団も食事も日本とは違うのでかゆみが悪化しそうで行くに行けなかったのです。先生の可能性に賭けてみたいと思います。」

私「よし!中国へ行くことを目標にやってみましょうか!」

患「私は昔一度だけ鍼治療をしたことがあるだけであまり知識がありません。少し恐怖感はあります。何かリスクはありますか?」

私「鍼での痛みやお体に対するデメリットはほとんどありません。もちろん体に刺すわけですから0ではないですが注射針のような痛みはありません。鍼灸をした当日か次の日は少し身体のダルさで出るかもしれませんがそのダルさは必要なダルさだと私は思っています。ダルさが抜けたあとは身体が前よりずっと軽くなりますよ!他の患者さんの中には気持がよいと感じる方もいるほどですよ!ここだけの話、私も注射の針は怖いです笑」

こんな会話をしつつ治療をスタートしました。患者さんとコミュニケーションを取りながら宿題と目標をトライアンドエラーを繰り返しながらお互い試行錯誤を繰り返しより良い方向になるよう努めました。治療日数は経過観察を含め週に2回、治療内容は主に鍼は腸に効くツボを使い胃腸を活性化させ、老廃物を流しやすい体になることを目標に、また来院した際の膝の痛みの緩和、灸では皮下組織の血流の促進と改善を目的に施行しました。患者さん自身には普段寝るときに使用する寝間着を持ってきてもらうなど生活環境の確認、また汗を出すために膝が痛くならない程度に相談しながら一日4000歩以上のウォーキングをお願いしました。

すると治療からわずか1か月半ほどたったある日患者さんの体に変化が現れました。足を無意識に爪でひっかかなくなったのです。ズボンをめくった時すぐにわかりました。

私「足回りは徐々にきれいな皮膚になってきましたね!」

患「そういえば足の方はあまり痒いと感じなくなってきました」

私「2年もずっと同じ症状だったので、ご自分では変化してきていることに中々気が付かないと思います。そういえば・・・という感覚でよいのでまた変化を感じた時は何でもよいので言ってくださいね!」

ここからの変化は急展開でした。その一か月後には背中、首回り、おなか回りと順を追って身体のかゆみが軽減していきました。そして数か月後にこんなお話をしてくださいました。

私「身体全体の皮膚の調子も良いですし、無意識にひっかくことも少なくなってきました。そろそろパスポートを取りに行って来たらどうですか?笑」と冗談のつもりでお聞きしたところ。

患「先生。パスポートはもうこの間取ってきて、だいぶ身体のかゆみが消えたので2週間後に中国に行ってきます。」

私「え!?もうとってきたのですか!?そして2週間後ですか!?」

私(言う前からもう行く気だったとは・・・さすが大会社の元社長。さすがの行動力・・)と感心してしまいました(笑)ですがご本人から本当にうれしい、感謝していると言われたとき私も思わずグッとくるものがありました。そして中国から無事に帰ってきたときはとっても素敵な笑顔でこうおっしゃいました「また3か月後にも行こうかな笑」。

これらはあくまで非常に印象深い例であり、私がやりたいとする治療の一つでしたのでご紹介させていただきました。このように鍼灸ではどんな症状もお力になれる可能性があります。私は一鍼灸師として世の中に鍼灸のすばらしさを伝えていきたいと同時により多くの患者さんにまだ何とかなるかもしれないという可能性を提示していきたいそんな思いで開業に至った理由の一つなのです。

3:地元である甚目寺、愛知県への恩返し、社会への貢献

私はここあま市甚目寺(旧名甚目寺町)で生まれ育ちました。甚目寺は飲食店もたくさんあり、名古屋に通う方々が多くなり人口が徐々に増えています。なにより名古屋へも行きやすいですし岐阜、三重なども高速道路(名古屋第二環状線)も近いということで交通の便が良く個人的に本当に住みやすいところだと思います。「こまつな」の生産量が日本屈指ということもあり畑もしっかり残っており古き良き面も持ち合わせています。なにより私自身この甚目寺が大好きなのです。(ちなみに妻も甚目寺出身です笑)甚目寺で開業できたのもやはり何かの縁だと私自身思っています。そんな甚目寺にこれまで住まわせてもらった、お世話になってきました。どうゆう形で恩返しができるかまだ具体的なものはまだありませんがこの甚目寺がより活性し繁栄できるように貢献していく所存であります。

以上が開業に至った理由であります。本当は聞けば聞くほど恐らくまだ出てくるのですが文章にすると中々難しいですね。ですが私の熱意、考え方などを少しでもご理解いただけたらなと思います。少しでも皆様のお力になれるよう努力してまいります。これからよろしくお願いいたします!

最後に

ここまで鍼灸のことを熱く語っていましたがもちろん鍼が怖い、苦手という方に対しては鍼を強制することは致しません。鍼のすばらしさを知っていただきたい気持ちはありますが無理強いするのはちょっと意味が違いますからね。鍼灸を使わないやり方でできる限りのことはさせていただきますよ!来院の際に遠慮なくご相談くださいね。

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