こんにちわ。ほっぷ鍼灸整体院の吉川です。
昔の話なのですが、わたしがまだ修行時代のころ。寒い冬でした。
近くに温泉があったんですね。いわゆるスーパー銭湯です。
この日ちょっと体調が悪かった私は少し汗を流したいと思いお昼休みに先輩を銭湯に行きましょうよ!と誘いました。
先輩も快諾して男二人でいざ!入浴!
ですがその日はなにかのキャンペーンをしていた為か大変にぎやかでありました。
メインの露天風呂も満席。どうしよっか…と思っていたところ
「流れている湯に座って背中だけを温めるイスのようなお風呂」←これの名前はわかりません笑
だけ空いていたのです。先輩は部屋内で入るといったので自分だけ浸かってみました。
私は暇つぶしの感覚で浸かったのですが、これがほんっっっっっとに気持ち良かった!!
体調があまりよくなく少し寒気も冬なので外も寒い状況でしたが、このイス風呂(前略)に浸かっている間は寒さどころかむしろ体全体が温かくなるような感じがあったのです。
一瞬の内に意識が飛びました。そうグーグー寝ていたのです。
その後どれくらい時間がたったのか分かりませんが先輩に小突かれて起きました。
治療院に戻っる最中先輩にその話をしたところ、
「なぜ背中だけ温めるだけで寒気が飛んだのか、では考察と行こうじゃないか」
と二人で知識を出し合い本を開いて話し合いました。
そしてその時分かったことが
- 東洋医学的に背中には背部兪穴(ゆけつ)といって内臓の鏡と呼ばれるポイントがいくつもあり、この兪穴の語源が「抜き取る」→病の元になる邪気を抜き取るとされていること。(風邪は東洋医学ではフウジャと呼び、邪気とされる)
- 西洋医学的に風邪をひいたときの一説には背骨で免疫力を作り、脳で必要な体温を調節するため、髄膜炎の恐れがないことを前提に中枢神経である脊髄(背骨)を保温することは風邪の初期症状としては有効的とされる。
- 悪寒はほとんどの場合、人間の身体の前面ではなく背面(脊柱)に出現していること
- 背骨を前後ろに動かすのではなく回旋させることにより免疫力を上昇することができるということ
と以上のことが関連していると判明しました。
先輩も非常に興味深かったのかグイグイ聞いてきました笑
この件で一か月くらい話し込んだのはいい思い出です。
今もこの経験が今の自分の治療の原点となっているところがいくつかあります。
私の鍼灸は必ず背中から治療していきます。これはほぼどんな患者さんにも行います。
当然上に述べた「兪穴」を使用します。
それだけ人間の背中には無限大の可能性が秘められているということです!
私は身をもって実感しましたが、些細なことが治療のヒントになることは多々あります。
普段から常に「治療家アンテナ」を張って生きていれば様々な五感で情報を得れるものだとこのころから意識しています。
と長々なってしまいましたが、
結論、
あのイス風呂は最高に気持ちイイ…ということです。