こんにちわ。今回は交通事故についてです。
私は数年間接骨院の院長をさせていただきましたのでよく交通事故の患者さんや保険会社さんとのやり取りをしました。
実は一接骨院にできるのは現状報告と経過報告、期待や目安くらいなのです。(裁判ほどになると非常に細かい施術記録やどんな性格、言動、行動までこちらに精査しにきます)
これは担当医には接骨院もしくは鍼灸院がなれないという制度があります。
担当医とはその患者さんの具合を最終的に見定める医者のことであり、現状の日本ではレントゲン写真やCT、MRIなどの画像所見を用いることができる施設に絞られてしまうからです。
たしかに慰謝料の算出も口頭や字だけでは難しいというのもあります。それには証明写真ならぬレントゲンなどの画像所見が必須になってくるのです。
保険会社の苦労も分かるのですがどうしても私たちは患者さんの生の声を聴いてしまうので患者さん側に立つことになるのですが、そこで保険会社と揉めることも経験してきました。
しかし今回お届けしたいのは事故の痛みについてです。
決してこれを読んできてほしいとかではなく純粋に事故の痛みを知ってほしいために今回掲載しました。
事故の本当の痛みは後からやってくる
今まで100件近く対応してきましたが大体の方はこのパターンです。
実際に事故直後に痛みを訴える人って半々くらいなんです。ほとんどが後から痛みを訴えることがほとんどです。
ではなぜその時ではなく後から痛みが出てくるの?
私なりの見解では「ショック症状」の一種だと考察しております。
ショックと言われたら電気ショックなど想像するかもしれませんが、この場合のショックとは事故の車と車のぶつかる衝撃によるショックと解釈してください。
ショックで後から痛みを作る?と疑問に思うでしょう。
わかりやすく説明すると「今はわかりにくい」状態なのです。
これはショックにより体が過緊張状態をつくり痛みをわかりにくくしている、この緊張が時間とともに和らいできたときにはじめて本当の痛みを実感するのです。
この過緊張がある事故とない事故のケースがありますがそれらの分岐点は車が接触する瞬間を見ていたか否かだと私は分析しています。
具体的に言いますと、ミラーや視界で確認でき「あ、やばい!ぶつかる!」と思って身体に力が入れることのできた事故と、全く不意に後ろや側面から非意識の中でぶつかった事故では予後が大きく変わるということです。
これらをふまえ私が交通事故の患者さんを診るときに始めに確認することが瞳孔が大きくなっているかどうかです。
瞳孔(目の大きさ)は人によって差はありますがここを確認しますとその人の事故によって受けたダメージがわかりやすいのです。
瞳孔のおおきさは交感神経(自律神経の一部)と大きく関係しているのでショックが大きい人ほど左右で目の大きさが違うのが特徴的だと推測しています。
また後から出てくる痛みは保険会社にも理解を得られないことも多く、「それ本当に事故から痛いの?」と心無い言葉をかけてきた担当者もいました。
後からやってくる痛みこそ私は本当の事故の怖さだと思っています。
外見では分からない痛み
「よくレントゲンは異常ないんだけどね~」と受け持ちの整形外科や病院でいわれるんだけど痛みが引かないの!
と声を荒げてしまう。よくあることです。
残念ですが事故での痛みはレントゲンや画像所見では映らないことのほうがほとんどなのです。
もちろん保険会社は前述のように画像所見を参考にします。でもこれは治療経過、終了判断判断できる材料がそこしかないということです。
事故の痛みは事故をした人にしか分からないとよく言いますが、本当にその通りだと思います。だって目で見えないんですから。
昔から言いますよね。目で見えないものこそ怖いものだと
政治家や悪の組織など本当に悪い人は表に出てこないのと同じです。
事故の痛みで一番厄介なのは人に理解してもらえない痛みなのです。
精神への痛み
先ほども少しお話ししましたが事故というのは自律神経にも影響を与えます。
いくつか例をあげますと・・・。
- 車に怖くて乗れなくなった
- 事故をした場所へ行くことが怖くなる
- 夜寝れなくなった
- 心が乱れ仕事へ悪影響をきたすようになった
- 常にイライラするようになった
- 女性の生理が不安定になった
- 悪夢をときどき見るようなった
- 訳の分からないタイミングで頭痛が発生するようになった
- 冷や汗をかくことが多くなった
など。これらはすべて私が受け持ってきた患者さんの声の一部です。中でも多いのが上二つのいわゆるトラウマによるものです。
一度感じた恐怖はすぐには解決することは難しいです。克服するにも時間がどうしてもかかります。慰謝料にはそういった意味も含まれているのです。
またこれらは誰にも相談できない、理解を得られないと解釈して自分でふさぎ込んでしまうケースもあり、いわゆる「鬱」症状に陥る危険性も兼ね備えています。
心まで侵してくる事故。本当に怖いですよね。
事故は自分も巻きこまれることもさることながら、相手にしてしまうケースもあります。
私の住んでいる愛知県は残念ですが全国一位の交通事故率となっています。
今一度事故の怖さ、また後悔しないように冷静になって車の運転をしてください。
その場だけの感情で相手の人生をめちゃくちゃにしてしまう可能性もあります。
どうか悔いのないようなカーライフをお過ごしください。