こんにちわ。ほっぷ鍼灸整体院の吉川です。
GW終わりました。疲れました。
ずっとリフォームの片付けでしたので全然GWって感じじゃなかったです。
まあこれで気分よく新しいおうち生活ができるようになったので良いでしょう!!!
今回のお話は飛び込みで新規として来院された患者さんのお話です。
一か月ほど前、私がお昼休みに入ろうかと店のカギを閉めようとした瞬間にガチャっと扉が開きました。
「先生たすけてください・・・」
その言葉とともに一人のお婆さんが入ってきました。
もちろんどうしたか聞いたところ。
15年以上様々な整形外科に通院していて、足の痺れや痛み、腰の鈍痛がひどくてまともに寝れないとのことでした。
特にここ数か月は状態がひどく一睡もできない日が何日もあるとのこと。
基本は痛みが夜中に走り睡眠薬を服用してなんとか目をつむる毎日。
そもそも整形外科にそれだけの年数通院していてなにか変化したことはあるかと聞きましたがなにも変化がなかったとおっしゃられました。
もう精神的にも限界のようで当院へ藁をも縋る思いで来られたようです。
整形外科の腕がどうとか、こうしたらよかったとかは毛頭ないですが、そのお婆さんはとても気になることを言っていました。
「私の痛いところを誰一人触ってくれなかった」
私は直感的に足の痺れや痛みをどうこうすることよりもこの患者さんにはまず手当をしてあげる必要があると思いました。
あまりにも辛そうだったので問診表には必要なことだけ書いて頂き、奥の施術室へすぐにご案内をし、ベッドに座って頂きました。
すると、私が足に触れた瞬間、お婆さんは泣き始めました。
「ああ、、、あああ、、、」
私はできる限り優しい接触で触り続けました。
おばあさんはずっと泣いています。
どこが気持ちいいとか、どこが痛いとかではなくただひたすら泣き続けています。
ちょうど足から膝にかけて優しく仕上げました。するとお婆さんはようやく口を開きました。
「私は今まで沢山の医者にかかってきましたが、誰も触ってくれませんでした。私が痛い所はここだといっても誰も何も触ってくれませんでした。本当にありがたいです・・・」と言いながら泣き続けています。
私も思わずウルっと来ましたが、そのまま優しい手技で足から腰あたりまで手を当て続けました。
その日はずっとその繰り返しです。手当を繰り返し、施術は終了しました。
その日から四日後に再び来院していただき、その後どうだったかお聞きしました。
「先生!!私は睡眠薬なしで痛みもなく寝れました!こんなこと数年ぶりです!本当にうれしいです!」
私は施術者冥利に尽きました。
しかしあれだけ優しい手技で触ったのにも関わらず施術後にダルさ反応があり、二日ほど力が入らない日が続いたそうですが、なによりも夜中の痛みが消えたことがうれしかったようで興奮しながらお話しをしていただきました。
しばらくは施術の強度を上げずに症状と結果を観察しながら治療を続けようと提案し、快諾。
まずはダルさない状態で快眠できるレベルにまで上げようと考えました。
このような症状の患者さんには鍼をつかわず温灸で対処するのが私の考え方ですが、まずは手当を優先するべきだと判断した次第です。
現在も施術は続いていますが、徐々に身体が動くようになり、乗れなかった自転車も乗ってみようかな。と前向きな話題ができるほどになりました。
最初の施術であれだけ泣いていたのにすごいね!と笑い話ができるくらいに気持ちにも余裕が出てきました。
まだまだ経過観察の段階ですがこのまま少しずつ治療の質感を上げていけたらと思います。
すごい技術を持つ人よりもすごくいい人に施術をしてほしい。
私が修行時代の患者さんに言われた言葉です。
治療をする、施術をする側の人間には様々な考え方や症状の捉え方。信じる技術や経験があるでしょう。もちろん私にもそういった思念はあります。
それらを持つことは大切なことではありますが、その思想や思念を押し付けてはいけません。
私たちは施術する側である前に、一人の人間です。
目の前で困っている人、泣いている人がいたら手を差し伸べる。背中を摩ってあげる。その次に施術や治療があると思います。
では!